WEBマーケティング基礎④

訓練日誌

Webマーケティングとは?

Webマーケティングは、ウェブサイトやオンラインサービスを活用し、ユーザーに商品やサービスへの興味を持たせ、最終的に購入へ繋げるための活動全般を指します。具体的には、広告配信やコンテンツ制作などが含まれます。

マーケティングAI(MA)の役割

MA(マーケティングオートメーション)は、顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化するツールです。これにAIが加わることで、見込み顧客のデータ分析や、分析に基づいた集客施策の提案が可能となり、マーケティング業務の効率化と精度向上が期待されます。

AIをマーケティングに活用するメリット

AIは大量の情報を識別・分析し、予測や判断を行う「識別系」や「予測系」の機能を持ち合わせています。これにより、従来人間が行っていた分析や予測といった業務を大幅に効率化できます。

AIと仕事の未来

AIの進化により一部の仕事は代替される可能性がありますが、全ての仕事がAIに奪われるわけではありません。AIはデータ収集・分析、個別広告設定、自動化による効率化や予測能力向上に優れています。しかし、企画の立案や人の行動理由を深く考察する能力はAIにはなく、これらは依然として人間の強みです。WebマーケターはAIや機械学習の知識・スキルを習得し、創造性や戦略的思考といった人間の強みを活かすことが重要です。


Webマーケターがこれからすべきこと

Webマーケターは、デジタルマーケティングの進化に対応し、自身の専門性を高める必要があります。

  • 知識とスキルの習得: 最新のトレンドやデータ解析、SEO、SNSマーケティングなど幅広い分野の知識を継続的に学ぶことが求められます。
  • 一連のマーケティング業務の経験: 広告のプランニングから分析まで、一連のマーケティングプロセスを経験し、全体を俯瞰できる能力を養うことが市場価値を高めます。
  • マネジメント・ディレクション能力の向上: 経験を積んだWebマーケターは、チームのマネジメントやディレクションを担うことで、キャリアをさらに発展させられます。リーダーシップやコミュニケーション能力が不可欠です。

AIの基礎知識

人工知能(AI)は大きく分けて以下の3種類があります。

  • ルールベース型AI: 人間が設定した「こう来たらこう返す」というルールに基づいて処理を行います。
  • 機械学習型AI: 人間が着目する特徴を指定し、その特徴を判断に使うルールはAI自身が学習して見つけます。
  • ディープラーニング型AI: 着目する特徴すらAIが自ら抽出し、その特徴をどのように判断に使うかまで学習します。

AIが得意なこと・苦手なこと

AIが得意なことは、言語処理、音声処理、単純作業(計算・分析、製造業・物流倉庫の単純作業)、画像認識、機械制御、推論など、大量のデータに基づいたパターン認識や自動化です。

一方で、AIが苦手なことは、絵を描くことや作曲といった「クリエイティブな仕事」です。これらはゼロから新しいものを生み出したり、人の気持ちを扱う要素が強いため、今後の将来性が高い分野とされています。


AIの活用事例と業界の動き

AIは様々な分野で実用化が進んでいます。

  • 広告クリエイティブ制作: 電通の「ADVANCED CREATIVE MAKER(ACM)」や「Direct AICO」のように、バナーや広告コピーの自動生成、CTR予測などが可能になっています。これにより、クリエイターはよりアイデアや表現に注力できるようになります。
  • 広告効果予測: サイバーエージェントの「極予測AI」は、広告クリエイティブの配信効果を事前に予測し、効果が期待できるもののみを納品します。
  • 感性価値分析・訴求力向上: 感性AI株式会社は、AIでイメージを分析する「感性AIアナリティクス」や、アイデアを創造する「感性AIブレスト」を提供し、ネーミングやパッケージデザインの評価・提案に活用されています。
  • 画像・動画編集加工・素材生成: 株式会社ラディウス・ファイブの「cre8tiveAI」は、画像・動画の高画質化、顔イラストや全身イラストの制作、写真の絵画化、写真からの動画生成など多岐にわたるサービスを提供しています。

AdobeのAI機能

Adobeの各アプリケーションにもAI機能が導入され、デザインやクリエイティブ作業を支援しています。

  • Firefly: テキストから画像や装飾文字を生成する画像生成AI。
  • Illustrator: テキストから編集可能なベクターグラフィックを生成。
  • Photoshop: 画像の追加・拡張・置き換え・削除、ジェネレーティブ塗りつぶし、被写体選択、背景追加など。
  • Lightroom: 写真のノイズ除去。
  • Premiere Pro: 動画音声の自動文字起こし。
  • After Effects: 動くものへのコンテンツに応じた塗りつぶし、音声品質向上、オーディオクリップの自動分類など。
  • Adobe Express: テキストからの画像生成、テキスト効果の生成、静止画像からの動画・3D生成など。

AIがWebマーケティング業務に与える影響

AIの発展は、Webマーケティングの各業務に大きな変化をもたらしています。

  • DM(ダイレクトメール): AIが顧客に合った商材を選び、パーソナライズされたDMを送ることで、紙媒体のDMが持つ五感に訴える力を最大限に活かせます。
  • 広告(リスティング・ディスプレイ): AIによる自動入札やレポーティングの自動化、配信最適化が進み、広告運用における工数削減と精度向上が実現しています。特にFacebook広告やDSP(Demand-Side Platform)では、高精度な機械学習型AIが運用を最適化します。
  • SEO: Googleの検索アルゴリズム「RankBrain」のように、AIが検索意図の理解やコンテンツの関連性判断に深く関わっており、AIの活用はSEO対策において不可欠です。
  • アクセス解析: AIがアクセス解析データの分析を自動化し、Webサイトの改善点を指摘したり、改善策を提案したりするツールが登場しています。
  • Web接客: ECサイトなどでAIを活用したポップアップ表示の最適化が進み、ユーザーの属性や行動履歴に応じた最適な情報提供が可能になり、購入率向上に貢献しています。
  • マーケティングオートメーション(MA): AI搭載のMAツールは、リードの獲得から育成、施策提案までを人間では不可能なレベルで自動化し、マーケティング活動の精度と効率を大幅に向上させます。

コーディング業務の未来

HTML+CSSコーディング業務もAIによる自動化が進んでおり、将来的には高品質なコーディングをAIが短時間で行えるようになると予測されています。これにより、Webデザイナーは空いた時間でさらなるスキルアップを目指すことが可能になります。


まとめ:人間の「設計力」と「クリエイティブ力」の重要性

AIは実用レベルの成果物を生成し、予測精度も向上していますが、ゼロからクリエイティブを制作したり、ターゲットユーザーの心理を深く理解し、的確な表現を「設計」する部分は依然として人間の役割です。

これからのクリエイターやマーケターは、AIが得意なことと苦手なことを理解し、「クリエイティブ力」と「マーケティング力」、そして「設計力」を武器にすることが重要です。AIを単なるツールとして活用し、人間が戦略的な思考や独創性を発揮することで、AIと共存しながらより価値の高い仕事を生み出せるでしょう。まずは、AIツールに積極的に触れ、使い慣れることが求められます。

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