アニメーション制作基礎

訓練日誌

Adobe After Effectsとは

Adobe After Effects(アドビ アフターエフェクツ)**は、映像のデジタル合成、モーショングラフィックス、タイトル制作などに特化したプロフェッショナル向けソフトウェアです。「AE」や「アフター」と略されることもあります。簡単に言うと、動画に特殊効果やアニメーション、合成などを加えるためのツールで、映画、テレビ番組、CM、ミュージックビデオ、ウェブ動画など、幅広い分野で活用されています。

After Effectsでできること

After Effectsの主な機能は以下の通りです。

・モーショングラフィックス: テキスト、ロゴ、画像などに動きを与えるアニメーション制作

・VFX(視覚効果): 実写映像に爆発、天候変化などの特殊効果を加える

・合成: 複数の映像素材を組み合わせて一つの映像にする

・タイトルとテロップ: アニメーションやエフェクトを加えた印象的なタイトルやテロップの追加

・アニメーション: キャラクターアニメーションや2Dアニメーションの作成

After Effectsの特徴とPremiere Proとの違い

特徴

・業界標準: プロの映像制作現場で広く使われています

・高度な機能: 複雑なエフェクトやアニメーションを作成するための豊富なツール

・他のAdobe製品との連携: PremierePro、Photoshop、Illustratorなどとシームレスに連携できます

・豊富なプラグイン: サードパーティ製プラグインで機能を拡張できます

Premiere Proとの違い

両者とも動画編集に使用されますが、用途が異なります

・Premiere Pro: 主に動画のカット編集、トランジション、基本的な色調整など、動画の組み立てを行うツール

・After Effects: 主に動画に特殊効果、アニメーション、合成などを加える、いわば動画の装飾を行うツール

After Effectsはこんな人におすすめ

・ 映像編集者
・ モーショングラフィックスデザイナー
・ VFXアーティスト
・ YouTuberやVlogger
・ アニメーター

15秒動画作成のポイントとAfter Effectsの基本工程

15秒程度のショート動画は、SNSプラットフォームの主流であり、今後PCを使った業務で必要とされる技術となる可能性があります。バナー広告のように「企画意図の理解を見せる」ことが重要です

After Effectsで動画を制作する上で覚えておきたい5つの重要な工程は以下の通りです

  1. コンポジション設定とファイルの読み込み

・コンポジション: After Effectsでの作業スペース。最終的な映像の形式(解像度、フレームレート、デュレーションなど)を設定します。15秒の動画の場合、デュレーションは0:00:15:00と設定します

・ファイルの読み込み: 映像、音声、画像など多種多様なファイル形式(QuickTime, MP4, WAV, JPEG, PNG, PSD, AIなど)を素材として読み込めます

  1. アニメーションについて

・キーフレーム: タイムライン上の特定の時点におけるプロパティの値(位置、スケール、回転、不透明度など)を記録し、その間の変化をAfter Effectsが自動で補間して滑らかな動きを表現します

・補間方法: 線形補間、イージーイーズ、ベジェ補間などがあり、アニメーションの動きの質感を調整できます

・グラフエディター: キーフレーム間の補間を視覚的に調整し、より複雑なアニメーションを作成できます

3. エフェクトについて

After Effectsには、カラー補正、ディストーション、ブラー、スタイライズ、シミュレーション、トランジションなど、多種多様なエフェクトがあります。これらのエフェクトをレイヤーに適用し、パラメータを調整することで、特殊効果や映像の加工が可能です。エフェクトのオン/オフ、削除、コピー&ペースト、順序変更なども行えます。

  1. レイヤーについて

動画を構成する各要素はレイヤーとして扱われます。After Effectsでは以下の新規レイヤーを作成できます

・文字レイヤー: テキストを入力し、アニメーションやエフェクトを適用できます

・シェイプレイヤー: 図形やパスを作成し、グラフィック要素として使用できます

・平面レイヤー: 色や画像を塗りつぶしたレイヤーで、マスクやエフェクトのベースとして使用されます

  1. 書き出しについて

After Effectsで作成した動画を最終的なファイルとして出力する工程です

・レンダーキュー: After Effects単体でMOVやAVI形式で書き出す際に使用します。画質や解像度、コーデックなどを設定します

・Adobe Media Encoder: MP4形式で書き出す際に連携して使用します。H.264形式を選択し、YouTubeなどの用途に合わせたプリセットを選ぶと便利です

・透過動画: 背景が透明な動画を書き出すには、アルファチャンネルを含んだ形式(例:QuickTimeの「RGB + アルファ」)で出力します

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