ECサイトデザイン基礎①

HTML/CSS

4月25日

eコマースの基礎と仕事内容
eコマース(Electronic Commerce)は、インターネットなどのネットワークを介して行われる契約や決済を含む取引形態、つまりオンラインでの売買全般を指します。「e」はElectronicの略で、科学分野で電子を小文字の「e」で表記することに由来するとも言われています。

eコマースの内容は大きく以下の3つに分類されます。

  • B to B (Business to Business): 企業間の取引
  • B to C (Business to Customer): 企業と消費者間の取引(一般的に「eコマース」と言う場合、多くはこの形態を指します)
  • C to C (Customer to Customer): 消費者同士の取引(オンラインオークションなど)

主なモール型ECサイトとしては、楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングなどが挙げられます

ECサイトの仕事
ECサイトの仕事はWeb関連業務が中心ですが、単にWebデザインスキルだけでなく、業種のノウハウ、高い商品知識、詳しい商品の特徴などが求められます。ECの世界では、これらの知識や技術はネット上にはあまり公開されておらず、実務経験や趣味で得た知識が活かされる可能性があります。

ECサイトの主な業務は以下の通りです。

  1. 商品登録

・必要な知識・技術:簡単なページデザイン(Photoshop)、簡単なHTML/CSSの知識、サムネイル画像作成(Photoshop)、基本情報登録(Excel)、個人情報管理、CSVデータを用いた一括登録(Access)

  1. プロモーション作業

・必要な知識・技術:バナー作成(Photoshop、簡単なHTML/CSS)、ランディングページ作成(Photoshop、簡単なHTML/CSS)、メルマガ作成(Photoshop、簡単なHTML/CSS)、商品知識・業界知識、モール内の知識(楽天、Yahoo!、Amazonなど)

  1. 店舗経営

・必要な知識・技術:商品知識・業界知識、モール内の知識、在庫管理・人員管理・経営に関する業務遂行能力、商品登録業務の知識または指示能力、プロモーション作業の知識または指示能力

番外編:店舗リニューアル

・必要な知識・技術:商品登録、プロモーション作業、店舗経営の理解と知識

実際には、これらの業務を一人で全て行うことは少なく、担当が分かれていることが多いです(例:商品登録担当、一括登録・在庫連携担当、トリミング担当、メルマガ・SNS担当、コンサルタント、バナー作成担当、撮影・ライティング担当、在庫管理・商品開発担当、店長代理など)

EC業界のビジネスモデルと求人

EC業界のビジネスモデルは、単発の案件よりも継続的な契約が多い傾向にあります(例:月額固定での業務委託、売上に応じた成果報酬型契約など)

求人を探す際は、「Webデザイナー」だけでなく、「販売業」として掲載されている場合もあるため、ECサイトの管理・サポート、商品登録・運用更新などのキーワードでも探してみることをお勧めします

EC業界の仕事のまとめ

良い点

専門性のある商売経験が非常に重視される
データベースを扱える知識が役立つ
技術レベルは一定以上あれば多くの企業で通用する
在宅可能な仕事が多い

微妙な点

ルーチンワークが多い
勤務時間がシフト制の場合が多い
バナー作成の基礎
バナーは、広告や宣伝のために使用する画像で、クリックを通じてリンク先のページへ誘導することを目的とします。

バナー作成のコツ

数多く見て作る: 楽天市場やAmazonなどのECサイトや、デザインギャラリーサイトを参考に、様々なバナーを見ることでアイデアや引き出しを増やしましょう。

伝える3つの要素を意識する:

  • メッセージ: 端的なコピーで伝えたい内容を表現する
  • イメージ: 写真やイラストで雰囲気を表現し、世界観を伝える
  • アテンド: 詳細情報へのリンクや応募期間などを明記する

「つながり」を意識する: 他のWebページ、検索、メルマガ、SNS、動画コンテンツなどからの誘導を考慮し、誘導先のページを意識して作成しましょう

・画像サイズのバリエーションを意識する: 様々な媒体に対応できるよう、複数のサイズでバナーを作成できるようにしましょう。レイアウト、文字、配色を意識し、面積、フォントの種類と表現、色を調整することがポイントです

検索からの誘導

リスティング広告(検索エンジンの検索結果に表示されるテキスト広告)やサイト内検索からの誘導も意識しましょう

サムネイル画像

サムネイルは、クリック前に内容を瞬時に伝える小さいサイズの画像です。ECサイトやSNS、動画サイトなどで表示されます。各プラットフォームには画像登録のガイドラインがあるため、それに沿って作成する必要があります。正確なトリミングが重要です

メルマガやSNSからの誘導

SNSは情報拡散や顧客とのコミュニケーションに有効なツールです。ECサイトへの導線を設け、顧客を誘導することで広告費の削減につながります。丁寧なコミュニケーションを通じて固定客を増やすことも重要です。

3%の転換率

一般的に、広告やメルマガ、SNSなどの転換率は3%と言われています。この数値を基に、集客数や売上を予測し、人件費や仕入れ数を計算することができます

動画コンテンツからの誘導

YouTubeなどの動画プラットフォームも集客に有効な手段です

メディアの変化と広告宣伝費

テレビからインターネットへのメディア変遷が進んでおり、YouTubeなどのオンライン動画の影響力が増しています。YouTube広告は比較的低予算から始めることが可能です

誘導先のページ(LP)

バナー広告などは、LP(ランディングページ)や特定の商品ページへ誘導し、会員登録、購入、問い合わせなどのコンバージョンを促します。LPはWeb広告のリンク先となるページであり、バナー作成時にはこの誘導先のページを意識することが重要です

Webデザイナーにとって、Web広告の制作(バナー、LP作成、集客)は需要の高い分野です。まずはバナー制作スキルをしっかりと身につけましょう

バナー作成のステップ

STEP① サムネイル画像: 正確なトリミングで商品の基本情報を表現する

STEP② テーマによるバナー: ジャンル・業種によるデザインの違い(レイアウト、文字、配色)を理解し、様々なバナーを作成する(制限時間50分)

STEP③ バナーを当て込む: 作成したバナーを実際に掲載するページに当て込み、違和感がないか、世界観が維持できているかを確認する

STEP④ サイズ違いのバナー: 様々なサイズのバナーを、レイアウト、文字、配色、見やすさを意識して作成する。小さいバナーは文言を減らし、大きいバナーは掲載量を増やすなど、目的を見失わないように調整する。
プラットフォームごとにデザインの入口(画像)が異なる点も考慮しましょう

マスク機能について

マスク機能は、画像や図形などのオブジェクトを自由な形に切り抜く(実際には隠している)機能です。

各アプリケーションのマスク機能

・Photoshop:

レイヤーマスク: 選択範囲からマスクを作成

グラデーションによるぼかしも可能

ベクトルマスク: パスからマスクを作成。精密な直線や曲線に適している

クリッピングマスク: 下のレイヤーの形で上のレイヤーを切り抜く

クイックマスクモード: ブラシで選択範囲を作成し、マスクとして利用

Illustrator:

クリッピングマスク: 上のレイヤーの形で下のレイヤーを切り抜く。レイヤーマスク、ベクトルマスクはない

XD:
シェイプマスク: 図形を重ねてマスクを作成(クリッピングマスクと同様の考え方)

パスパネル (Photoshop): 選択範囲とパスを保存し、再利用できる便利な機能です

出来るデザイナーはリテイクに強い

リテイク(再撮、修正、やり直し)は商業デザインにおいて避けられないものです。リテイクに強いデザイナーは以下の点を意識しています

・非破壊データで行う: スマートオブジェクト(Photoshop)などを活用し、元データを保持したまま編集する

・拡大縮小が可能な形式を利用: ベクターデータ(Illustrator)、シェイプやスマートオブジェクト(Photoshop)を使用する

・バックアップと復元方法を徹底する: 元データのバックアップ、戻る機能、ヒストリーパネルなどを活用する

・レイヤーをしっかり管理する: マスク機能の確認、調整レイヤーの利用などを適切に行う

マスク機能は直感的に理解しにくい部分もあるため、「理屈」で覚えることが重要です。各マスク機能の仕組み、特徴、使いどころを理解し、実際に手を動かして試してみましょう。実務では、元データの構造を理解することが重要になります

課題:各マスクの見直し、使いこなせるようにしたいです

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